シバタ コウスケ SHIBATA Kousuke
柴田 康介
所属 東京電機大学 工学部 数学系列(工学部)
職種 助教(任期付)
研究期間 2015/04 ~ 2017/03
研究課題 代数多様体の特異点の不変量
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 特別研究員奨励費
研究機関 東京大学
科研費研究課題番号 15J09158
代表分担区分 研究代表者
概要 n 次元Du Bois 特異点(X,x) がemb(X,x) = eであるときXのxにおける重複度はe!/n!(e-n)! 以下である。この予想を以下ではHuneke-渡辺予想を呼ぶ。この予想について私はDu Bois 特異点が正規かつCohen-Macaulay の時にHuneke-渡辺予想が正しいことを以前に示した。
今年度は環がstandard graded のときにも極大イデアルのminimal reductionのreduction numberについて調べることでHuneke-渡辺予想が正しいことを示した。さらにHuneke-渡辺予想より弱い結果であるが次のことを示した。n 次元Du Bois 特異点(X,x) がemb(X,x) = eであり1点を除いたところで有理特異点になっているならばXのxにおける重複度は(e+1)!/(n+1)!(e-n)!以下になる。特に孤立Du bois特異点の場合にこの結果が正しいことがわかる。
対数的標準特異点や対数的標準特異点の対数的標準中心はDu Bois特異点であることが知られており、これらはDu Bois特異点より扱いやすい特異点である。よって次にこれらの特異点についてHuneke-渡辺予想を考えた結果次のことがわかった。Cohen-Macaulay代数多様体Xとdivisorのペアが対数的標準特異点のときその対数的標準中心に対してHuneke-渡辺予想が正しい。この結果はKarl SchwedeとKevin Tuckerによる対数的標準中心の個数に関する結果の(Cohen-Macaulayの場合の)別証明を与える。
またこのときの手法を使ってCohen-Macaulayでない場合についても3 次元の対数的標準特異点の場合にはHuneke-渡辺予想が正しいことを示した。