研究期間 | 2019/04 ~ 2024/03 |
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研究課題 | 可換環論を用いて双有理幾何学に現れる特異点の不変量の研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 若手研究 |
科研費研究課題番号 | 19K14496 |
代表分担区分 | 研究代表者 |
概要 | 極小モデル理論の不変量である最小対数的食い違い係数は代数幾何学で特異点を研究する際に重要な不変量である。研究代表者は最小対数的食い違い係数をアークスペースを用いて研究し、いくつかの最小対数的食い違い係数の予想を示すことができた。
本年度は中村勇哉氏と共同研究を行い、未解決の問題であるのPrecise inversion of adjunction予想と呼ばれる最小対数的食い違い係数に関する予想がhyperquotient特異点かつ双有理幾何学的にいい特異点であるlog terminal特異点の場合について証明することができた。特に商特異点かつlog terminal特異点のときにPrecise inversion of adjunction予想が正しいことが分かった。またこの応用として最小対数的食い違い係数に関する予想で最も重要な予想の一つである下半連続予想がhyperquotient特異点かつlog terminal特異点の場合に正しいことが分かった。 本年度の研究は次のように行った。一つ目のステップはDenef氏とLoeser氏の研究を一般化し、hyperquotient特異点をアークスペースで研究することは群の作用を考えずにC[t]-スキームをアークスペースで研究することに帰着することができた。二つ目のステップとしては、一つ目のステップにより群の作用によってできるC-スキームの特異点であったものを群の作用を考える必要がない代わりに、C[t]-スキームの特異点に関して調べる必要があった。そこでC-スキームについてできているアークスペースの理論をC[t]-スキームの場合に拡張することで、hyperquotient特異点の最小対数的食い違いの問題をC[t]-スキームのアークスペースの理論を使い解決することができた。 これらの研究結果は論文としてまとめ、ジャーナルに投稿中である。 |